Cym tracyanum.
ヒマラヤ奥地の霧の中に自生する。
着生Cym。日本では梅雨期になると、着生ランの性 質を現わして、鉢から根を上に伸びだす。写真の白根 がそれである。バンダと殆ど同じ伸び方をする。
Cymの根は、本来バンダのような「気根」である。
したがって温度を別にすれば、バンダ栽培の潅水と殆ど同じ潅水になる。
この原種は、根の「ペクチン」を観察しなと、9月頃直ぐに根腐れを起す。9月の白露の季節の夜露がキメテ。
本分に詳しく書いてみました。
SUGOI-neで素晴らしい生育をする。
Cymbidium属の中に中国奥地、四川省のヒマラヤ中国に自生する系統を、
「中国奥地蘭」というのだそうである。
日本の東洋蘭関係者の目で見れば「中国奥地蘭」といいたくなるかもしれないが、
蘭の進化の道筋から見れば「ヒマラヤ奥地」である。
奥地には二つあってヒマラヤから日本の利尻島までのルート。
もう一つは、ヒマラヤからオーストラリヤnタスマニア島までのルートである。
Cymbidiumの原種約5、60種はこのルート上、進化し自生する。
私は洋蘭のシンビジュームを40数年作ってきたが、私の感覚では「西洋蘭」も「東洋蘭」もない。
人間の立場、国、文化・・・・栽培の歴史経緯から見れば、そういう分け方もあるかもしれないが、
蘭から見れば、蘭の進化から見れば、自生地の環境に適合したに過ぎない。
Cymbidiumには三つのグループある。
ヒマラヤのシッキム、ネパール、ブータンなどに自生する、所謂洋蘭のシンビジュームの元になった原種。
インドネシアからオーストラリアの熱帯雨林の標高の高いところに自生している
マディーダムを代表とする原種群。
中国奥地、台湾、韓国、日本に自生する所謂「東洋蘭」の原種群。
実際の栽培では・・・全部同じ「環境」で栽培出来る!!
Cymbidium栽培に共通するのは・・・・
「深山幽谷」「幽蘭一国に薫る」。
この言葉を理解すれば栽培出来る蘭である。
この「幽谷」とは・・・どういう環境を指す?
「霧が深い谷」である。
そこには水墨画に描かれる「気韻生動」がある。
つまりCymbidiumはモンスーン気候が「育て上げた」蘭である!!
その雨期と乾期。
それに適応するように進化したランである!!
ヒマラヤの奥地、中国の奥地には仏教とヒンズー教の「聖地」の山々。
雨期には文字通り「深山幽谷」の霧に隠れ、姿を現わすことはない。
「適地適産」。
この視点から見れば、日本でのラン栽培の本流は「Cymbidium」である。
宇井清太はそれでCymbidium 一筋できた。
Cymbidiumはランの中で最も早くクローンを利用してフラワー産業になった蘭である。
洋蘭の栽培は・・・・一部の人の愛好の分野もあるが「産業」の創設思考が入っている。
東洋蘭の「数寄者」の趣味道楽文化からのスタートとは異なる。
この歴史的違いが・・・・人間が蘭に関与すると・・・
一つの蘭の「栽培技術」更に「技術の進歩」への取り組み方にまで深く関与している。
しかし、交配してみるとわかることであるが・・・・前記の3グループ間で交配出来ないものはない。
皆、血族なのである!!
現に中国奥地には第三グループのシンビだけが自生しているのではない!!
東洋蘭といわれるCymbidiumと洋蘭の基になったCymbidiumが同じエリアに自生している。
洋蘭シンビで最も多く「血」を広げた「ロイアヌム」も自生している。
二番目に多い「血」の「トラッシアヌム」(虎頭蘭)もチグリヌムも自生している。
ということは、同じ条件、技術で栽培出来るということである。
お茶の樹の側に椿が咲いているようなものである!!
ここで一つ大きな問題がある。
クローン技術によるシンビの大量生産、大量消費のシステムは、
産業としては成功したが、その技術は、一年でも早く「出荷」の技術であり、
「種の保存」とはまったく異なる技術である。
宇井清太のCymbidium栽培歴40数年は「栽培経験」の年数ではない!!
同じ株を40数年保存してきたという意味である。
Cymbidium「鉢物栽培」では、3、4年で出荷するから、同じ株の栽培歴は3,4年となる。
ラン株からの見ればそういうことになる。
「消費するための栽培」と「品種を保存」するための栽培技術は異なるという事。
ところが・・・近頃のCymbidium栽培の本は、
ここのところを混同している。
大量生産、大量消費の栽培技術を・・・・趣味の人に書いている!!
Cymbidium鉢物生産者で、同じ株を何十年保存栽培しているものなど、
殆いない。
つまり、Cymbidium鉢物生産の技術では「種の保存」は出来ないということ。
この栽培技術の混同が「中国奥地蘭」の栽培を難しくしているのではないか?
それとも・・・東洋ランに特別の「技術」が別にあるのか?
光に当てろ。
肥料は沢山やれ。
そうすると・・・・花は咲く!!
このやり方は、鉢物栽培農家が苗メーカーから苗を仕入れての栽培。
一番大切な「芽生え」「発芽」が欠落している!!
これと同じことが「山掘り」。
自分でタネもまかないものが、山で芽生え育って大きくなったものを掘ってくる。
植物の本当の栽培は・・・・タネの蒔かない者には解からない部分が出てくる。
あの小さなCymbidiumのタネに光が当たったら・・・・どうなる?
霧とコケ・・・・。
それがCymbidiumの保育器である!!
SUGOI-ne栽培は
無造作に出来る!!
SUGOI-nenの開発で「中国奥地蘭」「東洋蘭」は無造作に栽培出来るようになった!!
洋蘭のCymbidium栽培のように・・・作れる。
東洋蘭はコンポストの問題でアレヤコレヤの技術、鉢、潅水などあったが、
それが殆どなくなった!!
洋蘭の大栽培の環境、技術で無造作に作れる。
細かい系統の違いはどんなランにもある。
洋蘭のCymbidiumの方が・・・より大きいかもしれない!!
SUGOI-neは中国奥地の自生地の埴生を再現したから・・・・。
1 紫外線をカットすること。
日除けではない!!
日除けは・・・・紫外線のカットではない。
遮光と紫外線カットを混同してはならない!!
「四川省の犬は太陽を見ると吼える」
四川省にはこのような言葉がある。
この意味は、四川省は雨、霧の日が多く、太陽が見える日が非常に少ないということ。
たまに太陽が出ると、犬が驚いて吼える・・・・
深山幽谷に立ち込める「山霧」の・・・・あの感じにすればよい。
霧の中の光は明るくとも「紫外線」が少ない。
しかも霧の粒子に光が当たって「散光」になる
この影の出来ない「散光」出なければCymbidiumは作れない。
宇井清太の栽培場は・・・・紫外線カットフィルムを2,3重張りにしている。
このような光質にしないとCymbidiumの切り花経営を維持できない!!
大株を長年元気に維持できない。
ハウスの中に「影」が出来ない散光にしている。
この「散光」こそ霧の光である!!
この光の中でCymbidiumは生まれ、進化してきたのである。
竹と同じようにCymbidiumは・・・・子孫を継承できる・・・・花を咲かせなくとも。
ここがCymbidiumのCymbidiumたる哲学である。
しかし、私達は「花」を見たい。
人間の身勝手である。
「花」は株が老化したときに咲く。
「老化」させるには「紫外線」を当てればよい。
長生きは出来ないが・・・・花は咲く。
植物の進化は多様である。
多くの一年植物は、この老化させる「紫外線」を利用した。
日の長短も利用した。
多くの一般的な植物を栽培すると、必ず光が弱いと「徒長する」と思っている!!
この固定観念を持つとCymbidiumは作れない。
光量と紫外線は別の問題。
光量が3万ルクスと同じでも・・・紫外線があるのと、カットされた光では、
ランの歓び方が、元気さが違うということ!!
Cymbidiumの鉢物栽培の人達は「山上げ」して。
春2、3月に咲く品種を12月に出荷する。
この技術を早く行った人は、山の中でも「霧」も発生する場所を確保した。
つまり先覚者の特権で一番良い条件の「適地」を選んだ。
後から参入したものは「適地」を確保出来ない人多かった。
「霧」が品質の隠れたキイポイントである。
そして、霧が晴れれば・・・1000から1500の山上げの場所は紫外線が強い。
霧は蘭にとっての「アメ」。
紫外線は蘭にとっての「ムチ」。
一気に老化が起こる。
Cymbidiumは急いで・・・子孫を残さなければ・・・・と準備する。
1鉢に何本も花芽を分化させる!!
それが価格の高低になる。
蘭の市場価格は・・・・花が美しいという基準ではない!!
人間というのは身勝手なものである。
フラワービジネス!!
花のこころ?
それは「生殖器」のこころ・・・・なのだ!!
ところが、蘭界は洋蘭界も、東洋蘭界も野性蘭界も・・・・
花を観賞する・・・・。
つまり生殖器の外性器の色、サイズ・・・・数。
洋蘭の審査ともなれば・・・・外性器のサイズを細かく計測する。
「受粉」「妊娠」・・・・という子孫を残す・・・花の情念は・・・・関係ない!!
以上のように紫外線は、栄養生長期と生殖生長期では、
蘭に対する作用は異なるのである。
Cymbidiumは栄養成長期と生殖生長期が明瞭に分かれている蘭
栄養成長期の紫外線。
生殖生長期への「移行」の時の紫外線。
このことを念頭におかないとCymbidiumは作れない!!
キウリ、トマト、ナス・・・・メロンなどは栄養成長期と生殖生長期が同時に行われている。
だからトマトの水耕栽培で1本の樹に1万個も実がなる。
こういう植物には一定の光量と一定の紫外線が必要である。
蘭作りの名人とは
一定の若さを維持しながら、一定の老化を維持出来る人である
それには「霧」と紫外線を時期に合わせて「コントロール」することである。
なんだか・・・・誰でも作れる気がしてくる。
SUGOI-ne栽培なら、上記の{紫外線」を勉強すれば・・・・あなたも名人になれる!!
蘭の生命活動も他の植物と同じように、
光合成の「合成」活動
呼吸作用の「分解活動である。
上記の写真のように、Cymbidiumは光合成能力が、他のランに見られない能力を持っている。
写真4のレビスディークはf10の品種であるが、3のロウイアヌムの末裔である。
Cymbidium交配の約130年の交配で・・・ここまで巨大になった。
CymbidiumのDNAの中に、このような能力が秘められていたのである。
中国奥地は環境が厳しい。
株を小さくして、消費を抑えて生き残ってきた。
ダーウインは言う・・・
強いもの、体の大きいものが生き残るのではない。
変化に適応出来るものだけが生き残る。
中国奥地ランはそのように生きてきた!!
だから・・・日本に「拉致」されて・・・日本に来たからといって・・・・
100年500年では・・・・馴化はしない。
そういう「凛」としたところが東洋ランの魅力であろう。
それにもかかわらず・・・・いざ栽培となると・・・・
自生地と全然異なったことをする。
Cymbidiumというランは、霧の光で写真4のように光合成できる植物である。
このバルブの重量は・・・・?
例えば・・・・同じ光で「稲」では、ここまで光合成はできない。
このように、Cymbidiumは光が30000ルクス以上は無意味な光量である。
この光量よりも紫外線で葉が弱る。
紫外線で痛んだ葉では・・・・光合成が劣ることになる。
それは根が伸びないことにもつながる。
2 日中葉を触って温度を調べる
イ 冬期から春の場合。
Cymbidium栽培で最も大切な仕事である。
特に温室でCymbidiumを栽培したときである!!
この仕事のことが書かれている本はない。
だから、殆どの人は、Cymbidiumの葉の温度は知らない。考えたこともない!!
本には気温、室温が書かれていてもCymbidiumの
「葉温」つまり「体温」が書かれていない。
Cymbidiumの温室では、冬期間・・・密閉する。
朝、太陽が昇り・・・・室温は上昇を始める。
室温がまだ10℃だから安心・・・・と思っていると・・・とんでもないことが起こる!!
Cymbidiumのは、室温10℃であっても葉の温度は30℃にもなる!!
このことを知らないとCymbidiumは作れない。
温室栽培の「盲点」である。
このことは・・・・家の廊下とか・・・・では起こらない。
東洋蘭界の「蘭舎」。
中国での「蘭舎」というのは・・・どういう施設?
宇井清太の山形では、この室温と葉温の乖離は2月中旬から起こる。
3月の彼岸頃では朝の6時頃から始まる。
「蘭は気を好む」。
温室のない時代の「蘭舎」でも、この名言はあった。
通気をすれば、この葉温の上昇は起こらない!!
休眠期で潅水を控えている時期で、通気による蒸散作用に必要な水分。
この水分をCymbidiumは何処から得ているのか?
この時期、葉の温度を上げると
1 葉先が枯れる。
2 品種によっては葉先に細かい黒点が出る。
3 葉に黄色い大きな斑点の斑が出る。
4 アカダニが大発生する。
5 花が満足に開花しない。
6 夏に株腐れ病、ナンプ病が大発生する。
Cymbidiumの夏の病気の原因は、この時期にある。
数日で極端にj株は衰弱する。
特に、ロイヤヌムは弱り、虎頭蘭は葉先の枯れあがり、斑点が起こる。
トラッシアヌムは極端に衰弱する。
この状態に「紫外線」が加われば「致命的」である。
フッケリアヌムは5の満足に花が咲かないことになる。
朝、葉が高温になるということは蕾も高温になるということである。
蕾の中で「花粉」が死ぬ!!
これが原因で蕾は付いているのに、何時までたっても咲かない事態になる。
フッケリアヌム、ロイヤヌムは遅咲きだから・・・・
温室の中では葉の温度のこと知らないと上手に出来ない。
蕾の高温に対する耐性は原種ごとに大きな差がある。
栽培では、一番弱いものにあわせて、通気を図る!!
天窓だけでは上手く行かない。
外気温が3℃以上であれば・・・・横窓を開けて・・・・葉に冷気を当てる。
この作業の意味は、
自生地では、朝の最低温度から、最高温度になるまでの所要時間の問題である。
自生地では5、7時間かけてゆっくり上昇する!!
ハウスの中でもこの上昇速度、時間を再現すること。
この所要時間はCymbidium栽培の奥義中の奥義!!
カトレア栽培にはこの温度管理はない。
だから、カトレアつくりの上手な人ほどCymbidiumは作れない。
ところが、カトレアの人がCymbidiumの栽培法を書く。
だから・・・・本読んでもCymbidiumは作れないことが出て来る。
Cymbidiumが一番奥が深いというのは、このことである。
Cymbidiumを馬鹿にする者は、蘭を知らない人である。
ハウス(温室、蘭舎)では30分から2時間で最高温度に達する!!
これが一番問題。
これを防ぐには「散光」にする。
「紫外線」をハウスに入れない。遮光と紫外線とは別の問題!!
紫外線の弱い光が欲しい!!
50%日除けでは防げない。
横窓を開いて・・・横からの冷気を入れる。
天窓の温度調節は「対流」だから・・・・葉が揺れない。
Cymbidiumは少し葉が揺れる空気の動きが必要なのである。
こんな温度管理は、中国の原産地の蘭園では見られないかもしれない。
温室などなくても・・・・作れるから・・・・。
Cymbidiumはこの「冷気」が非常に好きである。
自生地では・・・深山幽谷の「冷気」の中で生きている。
「身の引き締まる思い」。
「凛として・・・・」
それが東洋蘭といわれるCymbidiumの「美学」である。
ロ 5月から9月上旬の場合。
桜の花も散り霜の降りなくなった時期から、
温室は全開、蘭舎は開放・・・・外に出す場合も。
この状態では通気が良いので葉の温度が上がることはない。
ところが・・・・山形を例にすると5月下旬から、日中高温になり始める。
春は日の出から・・・・
この時期は10時頃から上がり始める。
桜が散ってから1ヶ月後あたりからである。
この時期まではCymbidiumは朝潅水しても良い。
この時期からCymbidiumの潅水は夕方でなければ良く育たない!!
なぜか?
Cymbidiumは東洋蘭も含めてモンスーン気候の下で進化したランである。
この時期は自生地は「雨期」。
モンスーン気候の雨期の特徴は「モンスーン低気圧」でスコールが降ること。
モンスーン低気圧は午後から夕方に雨を降らす。
日本の夕立である。
この時期、Cymbidiumの葉は温度が高くなる。
夕方のスコールは根に水を与えるだけではない。
葉の高い温度を洗い流して・・・・下げてくれる!!
このマネをすればいい。
日中毎日葉を触ってみる。
温かい、チカッと暑い日は、必ず夕方山全体に雨降るように潅水する。
宅地全体に潅水すれば最高である!!
雨は天から降る。
だから・・・葉の上から、葉の裏にもかける!!
雨の降らない日は・・・殆ど毎日になる。
自生地では・・・毎日降る!!
この毎日潅水しても大丈夫なコンポストがあこれまでなかった!!
だから柔らかい鉢、細長い鉢でカバーした。
SUGOI-neのスゴイところは、毎日潅水できること!!
自生地と違い日本の夏は熱帯夜が続く。
朝の最低温度が25℃!!
Cymbidiumの最低適温は18℃どまり。
高すぎる!!
だから夕方潅水して、更に夜再度潅水する!!
こうしてキビシイ夏を越す。
この夕方、夜間の水は・・・・薬いらずの妙薬である!!
この時期は原則として「朝」潅水はしてならない!!
これまでの本には乾燥する時は「朝夕」二回行うと書いてある。
だから朝やっても・・・良い・・・・と単純に解釈してしまう。
それは、これまでのコンポストの軽石では夕方まで保水出来なかったからのこと。
Cymbidiumが喜んでいるのではない。
夕方潅水できなくて、どうしても朝やらなければならない時は朝7時までに終えること!!
なぜSUGOI-neがスゴイかというと、
プラ鉢、ポリ鉢植であれば、夕方の潅水一回で、
誰でも素晴らしい生育にすることが出来ることである。
アレコレ考えなくとも、毎日夕方の潅水でよいのである>
他の蘭と比較して見る
中国奥地に自生している「中国アツモリ」「カランテ」と巨大Cymbidiumのバルブと
比較してみると、Cymbidiumの光合成のスゴサがひと目でわかる。
同じ弱い光の下で生き続けて来た蘭であるが、その能力には歴然とした差がある。
アツモリ、カランテは光合成するのは1代の葉。
光合成の量は・・・・多くはない。
Cymbidiumの葉は3年・・・つまり親、子、孫の3代の葉が働いてヒコを育てる。
巨大なバルブにはスゴイ養分を蓄える。
進化の理念が異なるのである。
その結果・・・Cymbidiumは3ケ月も花を咲きつづけるが、アツモリもカランテも花期は短い。
エネルギーの量が異なる。
以上のようにCymbidiumは三代の葉が生き続けるから、
その栽培はより難しいことになる。
一度でも根腐れを起すと三代タタル。
一年で回復させることは殆ど出来ない。
ここにCymbidium栽培の・・・・永遠の問題があった!!
それが・・・SUGOI-neの開発で「根腐れ」の問題は解決した。
根の「ペクチン」を観察していれば・・・ほぼ完璧に「根腐れ」は防げる。
SUGOI-neはCymbidiumの種子が発芽するコンポスト。
自生地の埴生をほぼ完璧に再現したといっていい。
だから、残る問題は「紫外線」のみになった。
このページを見れば・・・・紫外線の問題もなくなる!!
残る課題は「蘭鉢」になる。
この蘭鉢は「数寄者」文化の美的感覚が・・・・作り上げたもの。
ランの「生育」と「美的センス」の融合で出来たもの。
そこが、西欧の・・・・ラン栽培を根本から異なるところ。
洋蘭界は・・・・あくまでも「蘭の生育」。
東洋蘭界は・・・・三点セット。
鉢も重要な「要素」。
でも、その美的感性も・・・蘭を作れなくては何ともならない。
新人が参入しない業界は衰退する。
業界も新陳代謝しなければ発展、維持できない。
その切り札になるのがSUGOI-neである。
SUGOI-ne植えの鉢は・・・・ポリ鉢がベスト。
これで練習すればイイ。
平鉢も大変良い!!
なぜなら、Cymbidiumはどんな原種も、地表近くに横に伸びる蘭。
現在の東洋ランの鉢は・・・・Cymbidiumの原理原則から異なる。
軽石だから・・・・・そうなった!!
東洋ランを上手に栽培するには「ポリ鉢」で植えること。
無造作に出来る!!
ヒマラヤのシャクナゲを栽培してみると良い
Cymbidiumの自生地にはHimalaya シャクナゲが自生している。
このシャクナゲも「霧」の中で大木になっている。
中国奥地蘭を上手に栽培するには・・・・Himalayaシャクナゲを観察すること。
日本原産のシャクナゲは・・・強い光が当たると葉を丸める。
自生地では・・・このように葉を丸める事はない。
この時期になると虎頭蘭の葉は・・・・葉身をよじる!!
文学的表現に・・・・「身をよじる苦しみ」・・・・というのがあるが、
正に・・・Cymbidiumは「身をよじる」!!
カトレアも同じように身をよじる。
これは葉を取りまく「微気象」の問題である。
強い光を当てれば「葉の温度」が上昇する。
上がれば・・・葉の周囲が乾燥する。
葉は葉を内側に丸めて,気孔周辺の湿度を高めようとする!!
自生地の霧の中のシャクナゲも、Cymbidiumも、充分に葉を広げている!!
蘭ハウスの中で・・・シャクナゲが葉を丸めるようでは、
Cymbidiumは良く育たない!!
モンスーン気候。
モンスーン低気圧。
日本でも土用の時、ヒマラヤのモンスーン低気圧のスコールが降る。
日本では・・・夕立と呼んでいるが・・・・。
ヒマラヤ、中国奥地には・・・このスコールが・・・・
5月から9月までに4500mmも降る。
夕立後の湿気を含んだ「山風」「谷風」・・・・気韻生動。
蘭は気を好む!!
至言である。
このような環境であれば・・・・シャクナゲも元気。
いづれにしても、植物の原理原則というのは「移動」出来ないこと。
芽生えたところで大きくなり、そこで死んでゆくということ。
芽生える環境条件であれば・・・大きく育ち、やがて花も咲く成株になる。
花咲くということは「老化」の一現象である。
人間だって同じ。
女性は・・・いづれ子供を生めない身体になるから、
若いとき、男を「たぶらかして」・・・・子供を作る。
「老化」を知っているからである。
男は・・・・いくつになってもオレガ、オレガ・・・の気概が抜けない。
その移動できない「らん」を・・・・掘ってくる。
「山ほり」。
飛行機に載せて海まで渡る!!
蘭から見たら・・・天変地異、晴天の霹靂。世の中ひっくり返ったようなものである。
「養生」させることであろう。
秋の管理法
1 潅水の仕方
Cymbidiumの栽培で、秋の潅水を間違うと「根腐れ」になる。
Cymbidiumというランは、栄養成長期と生殖成長期で、
吸水する仕組みに劇的な変化があることである。
それがCymbidiumの最大の個性であり、進化の究極である。
したがって、この劇的な変化を知らないとCymbidiumは作れないことになる。
Cymbidiumに栄養成長期が終るのは何時か?
「白露」の時期である。
昔の人は・・・素晴らしい。
「秋きぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞ驚かれぬる」
名歌である。
この感覚はCymbidiumの感覚と共通する。
残暑きびしい時期であるが、風の中に秋が宿っている。
山に上れば・・・・既に「ススキの穂」が秋を告げている。
この時期になると昼夜の温度較差は大きくなり「白露」の夜露が葉に結ぶ。
外に出したCymbidiumの葉を深く濡らす。
Cymbidiumは毎日、日長が短くなるのを感じながら夜露をも待つ。
夜露が更に深くなると栄養生長を止める。
吸水の仕方を変える。
この時期になるとCymbidiumは根からの吸水から「葉の吸水」に変える!!
葉で夜露を吸水するようになる。
なぜか?
自生地で10月から始まる過酷な乾期に備え、身体を変える。
乾期には雨が降らないから根からは吸水できない。
夜露、夜霧の水を葉で吸収して生き延びる。
9月という月は、栄養生長期から生殖成長期への移行期であると同時に、
雨期から乾期への移行期でもある。
朝の最低温度15℃、日中の最高温度28℃。
夏が過ぎてこの温度に下がってくると、
Cymbidiumの葉は日中温度が高くなることはない。
だから、夕方の潅水は止めなければならない。
モンスーン気候の雨期の終焉である。
朝の潅水に切り替える。7時までの・・・・
だんだん回数を減らしてゆく・・・・。乾期に向って・・・・。
SUGOI-ne植えの外に出した鉢なら、殆ど潅水しなくても良くなる。
9月は時々雨降るから、この水で充分である。
足りない分は・・・葉が夜露を吸う!!
SUGOI-neは最高!!
それが・・・この時期に実感することである。
日除けを取り去るのは厳禁!!
この時期、ランの本には日差しが弱くなるから・・・・
日除けを取る・・・・と書かれている。
一見自然の法則にあっているようだか、これがとんでもない間違い。
考えてみてください。
昨日まで日除けあったものが・・・・今日はなくなっている。
ということは、自生地では、昨日まで樹に「葉」があったのに。
今日は樹が丸裸で葉がなくなっている。
こういう状況は自然界ではありえない!!
ベトナム戦争の時の「ホルモン」散布の「枯れ葉作戦」は・・・・それだった。
日除けを取り去るということは・・・・ランから見れば「枯れは作戦」と同じ。
Cymbidium栽培では・・・・厳禁中の厳禁!!
Cymbidiumは森の「霧の光」で充分光合成できるように進化した。
晴天の日、空を見て目をパッチリ開けられるような光がベスト。
まぶしい・・・・光が強すぎる。
日中、葉が乾燥しすぎる!!
Cymbidiumの葉は・・・・カサカサではダメ。 しっとりした肌が必要。
以上のような栽培管理をすれば・・・・
Cymbidiumの花は「透明感」があって、
多輪の品種であれば・・・下から上まで全部同じ間隔で同じ大きさに咲く!!
このように咲いた花でなければ、子孫を作ることは出来ない。
生殖器としての花。種子の実る花。
それが、人間が観賞した時、最も美しい花である。
東洋ラン界は、殆ど交配しないから、実を必要としないから、
「流産」を念頭に置かなくてもいいから・・・・
育種しようとすれば、ランつくりも果樹、果菜作りと同じになる。
ここまで書いた栽培法は「実の成る」・・・・ランつくりである。
体が健康でないと・・・・・。
ラン作りとて同じである
SUGOI-neで植える
SUGOI-ne栽培の鉢は「ポリ鉢」が非常に良いが。
これまでの東洋ラン鉢を使用する場合は次ぎように植えると良い。
新発売 2007年5月 SUGOI-neミックス チップ開発。
SUGOI-neミックスチップを混合する。
下記の膨張させて植える方法より、このチップ混合が非常に生育がよい。
SUGOI-ne 1号、2号どちらでも良い。
元気でない株は1号。
元気な株は2号。
大株作りは2号。
下記のようにSUGOI-neを水に浸して準備しておく。
多くの水を入れないのがコツ!!
以上のようにして100%膨張したSUGOI-neにしておく。
植え方
100%膨張したSUGOI-neと乾燥したSUGOI-neを混合して植える。
この混合割合で固さを自由に調節できる。
膨張したSUGOI-ne 1 + 乾燥したSUGOI-ne 1
膨張したSUGOI-ne 2 + 乾燥したSUGOI-ne 1
膨張したSUGOI-ne 3 + 乾燥したSUGOI-ne 1
植える時膨張したSUGOI-neは「粉状」に砕ける場合あります、
この粉状になったものと乾燥したままのSUGOI-neを混合すると
最高の「毛細管現象」を作ることが出来ます!!
ここがSUGOI-neのスゴイところで、軽石、バークの「微塵」と
根本から異なるところです。
植えた後の潅水。
植えたご十分潅水します。
約10分から1時間おきに3〜4回十分潅水します。
朝の最低温度8℃以上の時期は5から10日毎日潅水してください。
6〜8月は夕方潅水してください。
それ以外の月は朝与えて下さい。
冬期加温・・・・8℃以下の加温しないハウス、蘭舎では、
10から3月は植え込みを止めてください。
8℃以上の加温する場合は年中植え込み可能です。
SUGOI-ne植えの注意点
u 他のものと混合しないこと。単用で植えること。
軽石、バークなどは無菌でありません。
SUGOI-neに添加している宇井清太新発見の「材木腐朽菌」が台無しになるからです。
u 鉢の半分の高さに入れて潅水してください。
1号は40%、2号は30% 膨張するからです。
u 棒などでつついて硬く植えないで下さい。
ポロポロ入れてトントン鉢を落ち着かせる程度で丁度いいです。
u 鉢穴に荒い網をすること。鉢穴の大きい鉢を使うこと。
SUGOI-neの排水にはスゴイ養分が含んでいます。
この水が糊のようになる場合があるからです。
u 鉢は「ポリ鉢」「プラ鉢」が素焼き鉢より良い。
素焼き鉢で植えた場合は、乾燥を防ぐためポリ鉢で素焼き鉢をカバーする。
SUGOI-ne で植えた日に必ず数回充分潅水してください。
植えて数日すると、表面に「材木腐朽菌」が「カビ状」に発生します。
「カビ状」に発生します。このとき十分潅水してください。2、3日後またカビ状に
発生します。その時また充分潅水してください。この潅水を数回繰り返すと、
SUGOI-neは自生地の埴性を再現しことになり、素晴らしい根張り、生育を約束します。
。